
ぼくが塾講師を始めたころ、まず驚いたのは“世の中には、こんなに勉強が苦手な子がいるんだ”ということ。
そりゃあ、ちょっとやそっとできない程度なら、そんなに驚きはしません。
でも、中1の定期テストで5教科合計が50点にも満たないなんて、とても信じられませんでした。
思わず口から出た言葉は、
「キミはパンチが効いてるね」。
その子はヘラヘラと笑って言いました。
「でも、学年でビリじゃないよ」と――。
まだ下にいるんかい‼ Σ(゚д゚|||)
こんな子はひとりやふたりではありません。
つまり、特別ではないのです。
では、なぜこんなにも勉強が苦手になってしまったのでしょうか?
勉強しないから(当然です)。
勉強が嫌いだから(ほとんどの生徒がそうです)。
そもそも頭が悪いから(そんなことはありません!)。
そういうことではないのです。
ぼくもいろいろと考えました。
で、答えはすぐに見つかりました。
勉強の仕方が悪いのです。
それはもう悪いなんてものではありません。
ひどい、ひどすぎるのです。
塾で宿題を見せてもらったり、学校のワークを見せてもらったりすれば、こういう子たちの共通点にすぐ気づきます。
答え合わせをいっさいしない。
投げっぱなしジャーマン(プロレス技です^^)ならぬ“やりっぱなし問題集”。
丸つけされていない宿題やワークを見て、ぼくがいつも言うのは、「これじゃあ、まったく勉強していないのと一緒だよ」。
こう言うと、生徒はだいたい唖然とした顔をします。
勉強とは、始める前よりひとつでもいいから新しい知識を得ること、1問でもいいから問題を解けるようになること――ぼくはそう認識してきました。
問題を解くという行為は、すでに持っている知識をアウトプットしているだけです。
それは勉強とはいえません。
答え合わせをして、間違えた問題を解けるようにする――そこまでやって、初めて勉強したといえるのです。
しかし、勉強が苦手な子は、問題を解き終えただけで、勉強した気になってしまいます。
何度言っても、宿題の丸つけすらしてきません。
問題集についている解答(解説)の重要性に、いつまでたっても気づかないのです。
だから、塾に問題集は持ってくるのに、解答は家に忘れてきます。
問題集の解答を失くしたって平気です。
解答のない問題集には価値がないということから教えて、ようやく勉強のスタートラインに立てます。
学校の先生は、こういうことは教えないのでしょうか?
いや、教えたとしても、できるようになるまで面倒を見ることはできないのでしょう。
子どもにこうした基本的な勉強の仕方を教えるのは、お母さん方の仕事かもしれませんね。
もちろん、塾でも教えていますよ。
でも、小学校低学年ぐらいから習慣づけしなければ、なかなかできるようにはなりませんから。
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